「階段、下りるほうがつらいんです。上りは、そこまででもないのに」──ひざのことで来られる方から、いちばん多く聞く言葉です。大阪・玉造の腰ひざ専門よしかわ整体院、院長の吉川祐介です。

階段の上りと下りでは、太ももの筋肉の使われ方がまるで違います。
上りは、太ももが縮みながら力を出して、体を持ち上げる動きです。エンジンの仕事です。
下りは逆で、太ももが引き伸ばされながら、落ちていく体重を受け止める動きになります。こちらはブレーキの仕事です。
そして筋肉にとっては、この「伸ばされながら踏ん張る」ほうが負担が大きいことが知られています。上りは平気なのに下りだけつらい、という順番で症状が出るのは、そのためです。
さらに階段を下りるとき、着地した瞬間のひざには体重の何倍もの力がかかると言われています。平地を歩くときと比べても、はっきり大きな数字です。体重60kgの方なら、一段下りるたびに数百kgに相当する力を、片方のひざで受け止め続けていることになります。
つまり階段の下りは、ひざにとって一日でいちばん過酷な場面なんです。だから、体のどこかにほころびが出たとき、最初に悲鳴が上がるのがここになります。
ここからが、当院がいちばんお伝えしたいところです。
ひざの関節は、股関節と足首という、大きくて自由に動く2つの関節に挟まれています。そして、ひざ自身は基本的に「曲げる・伸ばす」しかできません。ねじる動きも、横に逃がす動きも、ほとんど持っていない関節です。
階段を下りるときのブレーキは、本来この3つで分担します。足裏と足首がまず衝撃を受け、股関節とお尻の筋肉が体を後ろから支え、ひざはその間で角度を調整する。
ところが、足元の踏ん張りが弱くなったり、股関節がうまく使えなくなったりすると、この分担が崩れます。ほかが引き受けなくなった分は、全部まん中のひざに集まります。
しかもひざは、ねじれを逃がす機能を持っていません。上と下がねじれを吸収できなくなると、そのねじれまでひざが引き受けることになります。
当院がひざの痛みでもまず足元から検査するのは、これが理由です。痛んでいるひざは、多くの場合しわ寄せを受けている側で、原因そのものではありません。
だから、痛むひざを揉んでも、温めても、その場は楽になっても、負担が集まる仕組みが変わっていなければ、次に階段を下りたときにまた同じことが起こります。
病院で「年齢ですね」「様子を見ましょう」と言われて、そのまま帰ってこられた方が本当に多いです。
年齢を重ねれば関節が変化していくのは、確かにその通りです。ただ、ひとつだけ考えていただきたいことがあります。
同じ年齢で、痛みなく階段を下りている方は、たくさんいらっしゃいます。
年齢そのものは変えられません。でも「そのひざに、どれだけの負担が集まる立ち方をしているか」は、年齢とは別の話です。ここには、変えられる余地が残っていることがあります。
もちろん、すべての方が同じように変わるとは申し上げられません。関節の状態によって見通しは変わります。だからこそ当院では、期待だけを持たせるのではなく、初回の検査で現実的な見通しをお伝えすることを大事にしています。
よく聞かれるので、正直にお答えします。
手すりは、使ってください。「頼ると弱くなる」と我慢される方がいますが、痛みをかばって体をねじりながら下りるほうが、よほど別の場所を痛めます。まず安全に下りることが先です。
サポーターは、場面によります。歩くことへの不安が強い時期に、支えとして助かることはあります。一方で、四六時中つけて頼りきりになると、本来働くべき筋肉が働かなくなっていくこともあります。
「つけるな」でも「つけろ」でもなく、どの場面で使い、どの場面では外すかを決めるのが現実的です。当院では検査の結果を見たうえで、その方の使いどころをお伝えしています。
負担の集まり方そのものは検査をしないと分かりませんが、下り方のコツは今日から試せます。
やってみて痛みが増す場合は、すぐにやめてください。合う・合わないは体の状態によって変わります。
整体院として、ここははっきりお伝えしておきます。次のような状態のときは、整体より先に医療機関で診てもらってください。
当院に来ていただくのは、そのあとでかまいません。医療機関で検査を受けたうえで、体の使い方のほうを整えたいという段階で通われる方が多いです。
当院では、痛みはこの順番で起こると考えています。
階段の下りでひざが痛むというのは、この④です。原因は①や②にあることのほうが多い。
だから当院は、ひざそのものだけでなく、足元と股関節という「ひざを挟む上下」から検査していきます。力任せに押したり、バキバキ鳴らしたりする施術ではありません。
ひざの症状についてはひざの痛みのページに、当院の考え方は院長紹介に、通院回数と料金の考え方は料金ページにまとめています。整体院と整骨院のどちらに行けばいいのか迷っている方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
階段を下りるのがこわい、という状態を「歳だから」で片づけてしまう前に、一度、ひざ以外のところを見せてください。
※ この記事は一般的な体の仕組みについての説明であり、診断や治療効果を保証するものではありません。感じ方や変化には個人差があります。痛みが強い場合や上記のサインがある場合は、医療機関にご相談ください。
診断や関節そのものへの処置は医療機関の領域です。当院がお手伝いできるのは、そのひざに負担が集まっている立ち方・歩き方・体重のかけ方のほうです。医療機関でのケアと並行して通われる方も多くいらっしゃいます。初回の検査で、変えられる部分がどこにあるかを確認します。
軽い・重いを痛む場面だけで判断することはできません。ただ「下りだけ」という段階は、ブレーキをかける力の配分が崩れはじめたサインとして現れることが多く、平地でも痛むようになる前の段階であることはあります。気になった時点で一度確認しておくほうが、選べる手は多くなります。
筋力は助けになりますが、痛みが出ている時期に自己流のスクワットを始めて、かえって悪化される方を何度も見てきました。ひざが内に入る癖や、股関節を使わずひざだけで沈む癖があると、鍛えるほど負担が集まります。順番としては、まず負担の集まり方を確認してから、その方に合う形でお伝えしています。
お体の状態と、その状態が続いた期間によって変わります。当院では初回の検査のあとに、必要な回数と総額の目安をすべてお伝えします。その場で契約を迫ることはありません。回数と料金の考え方は「料金・通院回数」のページにまとめています。
初回 検査&整体コース(60分)4,800円(税込)
カウンセリング・姿勢撮影・検査・施術・セルフケア指導まで、すべて院長が担当します(通常11,000円)